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『沈黙しない春』TALK with 平野太一さん (2)
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    「twitterとデモ」(2)
    平野太一(反原発デモ@TwitNoNukes)× 杉岡太樹監督 


    (1)からの続き


    杉岡太樹監督(以下、監):デモってどうやってやるんですか?

    平野太一(以下、平):(笑)デモ自体は実際簡単なんですけれど、公園申請デモ申請、ってソコの話を細かくするとあんまり面白くないかもしれませんが、まぁ一応、公園申請っていうのは公園の管理事務所に申請をして、デモ申請っていうのは道路使用ですよね、それは警察に行って申請をするっていう、それくらいの2つのことをやれば、あとはメガホンを買うなりレンタルするなり(笑)そういうことをやったら簡単にできると。

    監:お金はどうですか?出ていく一方ですか?デモをやると。

    平:デモの運営カンパっていうのを毎回デモをやる度に協力して頂いて集めているんですけれども、それは参加者の皆さんに多大な協力をして頂いているんですよ。だからデモの運営自体は先細り感はないですね。

    監:それはデモの時にお願いしてカンパっていう?

    平:そうですね。

    監:1回でどれくらい集まるんですか

    平:(笑)1回の規模で1000人くらいなんですけれども、正直貰いすぎているっていうのがあると思うんですが、15〜16万円くらいは平均して頂いています。

    監:それは、繰り越しみたいになってる?

    平:そうですね(笑)

    監:「みんなで使っちゃえ!」みたいなのは?

    平:そういうのはないです(笑)

    監:使っちゃえばイイのに。

    平:(苦笑)それはちょっと。

    監:そういうことするとられたりするんですか?

    平:いや、デモのために使うってことになっているんで。

    監:でも、「デモのモチベーションをあげるためにみんなでビールを飲むッ!」みたいなのは?

    平:それだとビール代に使いますって予め言っておかないとダメでしょうね。

    監:デモに対して「金儲けしてるんじゃないか?」とか「楽しんでるだけじゃんか」みたいな批判はあるんですか?

    平: いや、そういうお金儲けをしているみたいな批判はないですけれども、やっぱりちょっとでも楽しそうなとこが見えると、批判の対象になったりだとか、この一年やってきて所々でそういう気配を感じます。特にTwitterはそういうネタが出てくると炎上してしまうみたいなのがやっぱりあるので。

    監:平野さんそういうときどうしてますか?言い返してるんですか?

    平:僕は最初の頃は結構カーッてなったりとか、(批判ツイートを)見かけたらワーッて(ツイートを)書いちゃったりとかあったんですけれども、

    監:検索して?

    平:(笑)そうですね、でも今はだいぶ静観してみるようにはなりましたけれども。結構ありましたね最初の頃。

    監: twitterデモ賛同のツイートと実際の参加者の差、現実とバーチャルの差はどうですか?

    平:そうですね、毎回「このデモに賛同される方はこのツイートをRTしてください」って書いているんですけど、それはRTボタンっていうのを押すとそのツイートがそのまま他の人のタイムラインに流れていくっていうことで、それでデモの告知をしつつ賛同の数を増やして、デモ当日までに盛り上げたいっていうところもあるんです。そうやって毎回やっているんですけれども、もんじゅ君っていう アカウントがありまして、脱原発にちょっと興味あるかなってくらいの人含めすごいフォロワーの数がいるかわいいキャラクターのアカウントで、その『もんじゅ君』に1回RTされた時に、それに続くRT数がすごく伸びて、「これは今までの規模とは桁が違うくらい人が来るんじゃないか」と期待したんですけれども、実際蓋を開けてみるといつも通りの人数だったていうことがあって...。Twitter上で脱原発の主張をしている人たちの中でも、デモに参加する人もいるし全然デモには行かないっていう人もいるし。脱原発をTwitter上で主張する人は結構いるんですけれども、その中でもデモの告知をしたり実際デモに来る人たちっていうのは、やっぱりまだ限られてるんだなと思いますね。

    監:Twitterを使って「デモなう」みたいな感じでリアルの交流とかあるんですか?

    平:変な言い方なんですけれど、これだけ一年くらいやっていると、毎回見かける顔がいたりするじゃないですか。

    監:「このアカウント、お前か!?」みたいな?

    平:そうそう(笑)だからそういうデモ友みたいな、新しいコミュニティーみたいのが出来たりとかちらほらあります。

    監:どうですか参加者は?えていますかっていますか?

    平: それが一概に言えない印象があって。最初の高円寺のデモに来ていた人たちと今来ている人たちって若干入れ替わりがあると思っていて、もちろんずっと来ている同じ人たちもいるんですけれども、福島第一原発の事故が全然収束しないっていうなかで、半年以上経って初めて行こうっていう人たちもいて。タイミングもまちまちで、人数的には横ばいなんですけれでも、来ている人たちが変わっているかなと感じますね。

    監:どのように変わっているんですか?


    (3)へ続く...
    | 沈黙しないEXTRA | 03:56 | - | - | pookmark |
    『沈黙しない春』TALK with 平野太一さん (1)
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      「デモとTwitter」(1)
      平野太一(反原発デモ@TwitNoNukes)× 杉岡太樹監督 


      杉岡太樹監督(以下、監):まず映画の感想を。

      平野太一(以下、平):関口詩織さんが「STOP浜岡パレード」をやられた3月27日、東京の銀座でも反原発のデモがあって、それが僕が初めてデモに参加した日でした。そこから自分が4月5日にデモを呼びかけるツイートをしたんですけれども。同じ時期に4月10日の素人の乱だったり、4月24日のエネルギーシフトパレードだったり、自分もいち参加者として参加してたデモなんですが、今改めてあの頃のデモを観ると今と全然違うんですよね。それをすごく感じました。

       高円寺のデモは、震災から一ヶ月経とうとしている時に人々の感情が爆発してるというか、この映画の中で観ていても他のデモと高円寺のデモは全然違う雰囲気ですね。今も反原発デモをやっているんですけれども、311の衝撃が本当に大きかった時と今はまた雰囲気が変わっているのかな、と。映画に出てくる人たちはみんな、なんというか「不慣れな感じ」があると言うか。本当に不慣れな人たちが行動を起こして、カッコ良くはないんですけれど、そういう人たちが動いたからこそ浜岡原発に停止命令が下りたり、今だったら原発が全機停止した事だったりとか、そういうことに結びついたんじゃないかなと思って、自分もその渦中にいたので、すごく身近なこととして観ました。

       あと、福島から避難された野村さんという元教師の方がiPhoneとかiPadで地震速報を見ているのがすごく印象に残りました。今はちょっと変わって来ていると思うんですけれども、あの時の緊迫感がフラッシュバックして、あの一ヶ月経つか経たないかくらいの異様な雰囲気をじわじわ思い出して…。

      監:平野さんが主催されたTwitterデモというのは一番最初は何月何日に?

      平:(2011年)4月30日に一回目のデモを。

      監:それはどういう経緯で起こったというか、どういう始まりだったんですか?

      平:3月27日「再処理とめたい!首都圏市民のつどい」主催のデモ銀座であったんですが、そこで初めてデモに参加したんです。それで、その後Twitterを見ていたりすると、「なんで渋谷や新宿などの繁華街でデモがないんだろう」みたいなツイートが結構あったりして。4月の頭ぐらいってまだ全然情報がなかったんですよね。エジプトでSNSを使った革命だったりがあったのもあって、Twitterのようなツールが使えるんじゃないかっていうのがボンヤリあって。「4月5日に渋谷辺りで"脱原発デモ"をやるとして、賛同する方はこのツイートを公式RTしてください」というようなツイートを流して。それが最初のきっかけというか。

      監:どれくらいRTされましたか?

      平:デモ当日までに1200人くらいは広まりました。

      監:その時点で平野さんにフォロワーは何人いたんですか?

      平:最初ツイートした時点では百何十人とかそれくらいの感じですかね。

      監:そこから一気に?

      平:そうですね。

      監:その時点でもう主催する気持ちでいたんですか?それとも軽いノリみたいな?

      平:最初は、実際にやれるかも全然わからなかったので、軽いノリではなかったけど、アイデアを出すくらいの気持ちだったんです。自分と同じ様に、「なんで渋谷とか新宿とかでデモやらないのかな?」とか言っている人たちがすでにいたので、割と乗っかってくれる人はいるんじゃないかとは思っていましたが。そうしたら、そのツイートをした日のうちに300人くらいRTが広がって。で、フォローし合ってる方からもDMが来て、「いつやりますか?」みたいなすごい前ノメリな感じで、これはもうやらざるを得ないという気持ちになりました。

      監:それまではデモを主催されたこともなければ、行ったことすらなかった?

      平:そう、3月27日に初めて行ったくらいですね。

      監:デモってどうやってやるんですか?


      (2)へ続く...
      | 沈黙しないEXTRA | 02:04 | - | - | pookmark |
      『沈黙しない春』TALK with 二木信さん (3)
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        「音楽とデモ」(3)
        二木信(音楽ライター/素人の乱)× 杉岡太樹監督 


        (2)からの続き


        杉岡太樹監督(以下、監):一連の脱原発デモが日本の音楽に対して影響を与えたと思いますか?

        二木信(以下、二):それは難しい問いですね。個々のアーティストやミュージシャンがデモからインスパイアされて、曲を作るとか、そういうのはあると思います。KICK THE CAN CREWLITTLEが「Demoongen」という曲をインターネットで無料配信していましたね。彼が実際にデモからインスパイアされてあの曲を作ったのかはわからないんですけれど、ある意味で、反原発デモへの参加を呼びかけるような曲にも聴けます。エレクトロ・ハウス風のプロテスト・ラップで、最初に聞いた時、ベタな喩えですけど、PUBLIC ENEMYの「Fight the Power」のポップ・ヴァージョンだと思いました。でも、音楽そのものが変化するということはあり得ないですよね。デモぐらいで音楽のあり方が変わったらマズイですよ(笑)。

        監:音楽ライターとして、原発問題に言及している、曲に直接反映させているアーティストとさせていないアーティストで優劣って。

        二: いや、その観点でアーティストの優劣を測るなんてことはしないですね。こういう状況だから、誰もが政治的な音楽や表現をやらなければいけない、というのは不自由だと思いますし。ただ、もう少し、音楽ジャーナリズムが反原発デモや抗議行動の現場で声を上げているミュージシャンやDJを評価してもいいんじゃない?とは思います。もちろん賛否両論あって欲しいんですけど、海外の政治的な音楽のムーヴメントには飛びつくのに、国内で起きている動きには中庸であろうとするというか、口を噤むという風潮はどうにかならないもんかなと思いますよ。

        監:原発賛成だしめっちゃ電気使おうぜ、っていうめちゃくちゃカッコイイミュージシャンとかいたら?

        二: それ、複雑な気持ちになりますね(笑)。少し前に、原発の問題についての曲ではなくて、TPPをテーマにした曲でまさにそういうことがありました。 show-kとLBっていう2人のラッパーが「TPP反対ソング(TPP SWAG)」という曲をインターネットで発表したんですよ。バックトラックはカッコイイし、ラップも良くて、興味を惹かれたんです。で、show-kとい うラッパーは「日本人stand up」という曲も作っていて、そのラップからは愛国主義的、排外主義的なニュアンスを感じたんです。彼は一人の人間としての立場から言っているということなんでしょうけど、いろいろ調べて聴くと、それらがどうも彼の重要な思想的背景らしいと知る。そうすると、音楽は思想や考え方を表明するものでもあります から、音楽の聴こえ方が変わる。僕は愛国主義や排外主義には賛同できないですから。複雑な気持ちになりましたね。あと、長渕剛の自衛隊慰問ライヴの映像を観て、思わずグッと来た時とか(笑)。そういう時に、音楽にどう向き合うのか。そこを問われますよね。そういうことはあります。

        監:書けますか?原発賛成のアーティストを「良い」とか。レビュー頼まれたとして。

        二:今言ったようなことを率直に書くでしょうね。僕が311以降ひっかかったのは「音楽は無力だ」というようなことを言う人が結構いたことです。ミュージシャンでもそういうことを言う人は多かったですよね。

        監:いました

        二: 地震と原発事故が立て続けに起きた後、僕も1週間ぐらいは音楽を積極的に聴く気になれなかったんです。でも、音楽は無力だとはまったく思わなかった。「音楽はまだ早い」、そう思ったんです。まあ、そのうち聴きたくなる時がくるだろう。それぐらいの気持ちでした。音楽って、日々の暮らしの中で、人を喜ばせたり、楽しませたり、傷ついた心を癒してくれたり、落ち込んだ気持ちを和らげてくれたり、ワクワクさせてくれたりするものじゃないですか。そういう意味で音楽はすごく個人的なものですよね。そこに十分、音楽の力があるじゃないですか。そういう個人的なものとしての音楽があるから、サウンド・デモみたいな集団的な音楽による高揚もあるわけですし、社会的影響力を持つ可能性もあるんだと思います。

         ああいう大惨事の時に「音楽は無力だ」と考えてしまう人は、逆説的に音楽の力を過信しているんだなと思いました。たぶん、音楽の力って言った時に、政治的、社会的、経済的な影響力みたいのを真っ先にイメージして、「音楽には何もできないじゃないか」って悲観してしまったんだと思う。あるいは、音楽を神聖化しているというか。音楽の大きな力を強く信じているからこそ、裏返しの表現で「音楽は無力だ」って言葉が思わず口をついて出ちゃったんじゃないですか。一種のかっこつけですよね、あの言葉は。ペラペラのチャリティ・ソングとか復興支援ソングに対する牽制の意味合いもあったのかもしれないですけれど、なんか、ああいうことを言うミュージシャンがとてもナルシスティックに見えてイヤでしたね。ああいう時にちゃんと「音楽には力があるんです!」って宣言できるミュージシャンの方が僕はかっこいいと思いますね。

        監:二木さんが音楽ライターとしていまオススメのアーティストは誰ですか?

        二:今の人じゃないとマズいですか?

        監:今の人じゃなくてもいいです。今現在聞くのにカッコイイと思うヒト。

        二: けっこう前から紹介させてもらったりしているんで繰り返しになってしまうんですけれど、SIMI LABっていう神奈川の相模のラップ・グループに魅了されていますね。国籍はみんな日本だけど多人種混成のグループで、彼らの文化的背景も興味深いんですけれど、彼らのラップの訛りとリズム感がとにかく新鮮でしたね。最初に「WALK MAN」という曲を聴いた時、そのラップが、外国訛りの日本語なのか、ネイティヴの日本語なのか、それさえ判別がつかなかったですから。新しい感覚を持った人たちが出てきたなって思いました。彼らは菊地成孔さんのDCPRGの新作にも参加しています。

        監:彼らをデモに呼ぼうとか思いますか?

        二:彼らをデモに呼ぼうとは思わなかったですね。ただ、元リーダーのQNくんは去年、神奈川であった「NO NUKES HAMA ROCK」というイベントには出ていましたね。でも、彼らはCDを出したり、インターネットで曲を発信したり、クラブやライヴハウスでライヴするのが本職じゃないですか。やっぱりデモでパフォーマンスするのは、かなり特殊なこととですし、そもそもみんながみんな表に出て反原発を主張したいとは限りませんから。

        監:それだけじゃなくてもいい?

        二:もちろんそう思います。
         
        監:じゃあ最後に、デモとは何か。実際にやってみて。

        二: さっきも少し話しましたけれど、デモは人が出会う場であり、議論の場であり、社会の縮図だと思います。あと、去年の、特に僕が関わった「原発やめろデモ」 は一種のお祭り騒ぎの側面もあったと思うんです。お祭り騒ぎや熱狂の季節は長くは続かないですよね。今はだから、祝祭の創造から日常の創造へ、というのは個人的にはテーマですね。デモでのたくさんの出会いをどう今後に生かしていけるかという。去年、アメリカで格差是正を求めて起きたオキュパイ・ウォール・ ストリート(OWS)がありましたよね。そのOWSの発火点となったNYのズコッティパークで、思想家のスラヴォイ・ジジェクが行ったスピーチが素晴らしくて、その中の一節がとても印象的でした。「覚えていてください。お祭りはお手軽だということを。問題は、宴の後、普段の暮らしに戻らなければならないことです。そのとき、どんな変革が起こっているか。このころを振り返って、『ああ、あのときは若かった、ビューティフルな日々だった』などと思い出にふけって欲しくありません」って語っているんです。

         今東京では、ツイッターデモNo Nukes More Heartsの人たちが粘り強く頑張っています。彼らはデモを日常化させていますし、彼らが中心になって4月から毎週、首相官邸前で原発の再稼動反対の抗議行動もやっています。僕は最近デモに行く機会が減ってしまって、偉そうなことを言えないんですけれど、買い物やデートのついでにデモに行くような雰囲気が少しずつ出てきているのがとても良いなぁと感じています。


        (了)*このトークセッションは2012年5月13日に行われました。


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